第12章まだ空想にふける

「いえ、結構です。私は何も悪いことなんてしてませんから!」

成り行きを見守るエミリーの声には、ねっとりとした皮肉が滲んでいた。

ビアンカに手を貸していたジェームズは、その場で凍りついた。

彼は不快そうに顔を上げ、エミリーを睨んだ。「今、本当に質問に答えてる場合か? 見ればわかるだろ、ビアンカは具合が悪いんだ。エミリー、そんな冷血になるな!」

この状況でよくもそんなことが言えるものだと、エミリーは呆れた。ジェームズは本当に厚顔無恥だった。

眠ったふりをしている人間を起こすことなどできない。

自分の世界に閉じこもっている相手に、これ以上言葉を費やすつもりはなかった。

「エミリー、早ま...

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